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もう“No”だけで終わらせない。相手を傷つけず、かつ仕事を前に進めるスマートな英語の断り方【例文付き】

生き残り方

「この仕事、お願いできないかな?」
「今度の金曜、急だけど打ち合わせできる?」

海外の同僚や取引先とのコミュニケーションで、こんな風に頼み事をされたとき、あなたはどう返していますか?

「いや、ちょっと今は…」
「あいにくその日は…」

日本語ならごく自然に出てくる「角が立たないように断る」ためのクッション言葉。でも、これを英語で表現するのって、すごく難しいですよね。

“No, I can’t.”
これだけだと、あまりにも冷たく、相手を突き放すような印象を与えてしまう。かといって、曖昧に “I’ll think about it.” なんて言ってしまうと、相手に期待だけさせてしまい、後々もっと気まずい状況に…。

今日は、多くのビジネスパーソンが抱えるこの悩みを解決します。この記事を読めば、あなたは相手との良好な関係を保ちながら、自分の状況を正直に伝え、さらには仕事を前に進めるための代替案まで示せるようになります。

単なるフレーズ集ではありません。日本語の「気遣い」をスマートに伝えるための思考のフレームワークから解説していくので、ぜひ最後まで読んで、あなたのビジネス英語をアップデートしてくださいね!

なぜ英語の「No」は難しいのか?文化の違いを理解しよう

そもそも、なぜ私たちは英語で断ることにこれほど難しさを感じるのでしょうか。それは、日本語と英語のコミュニケーションスタイルの違いにあります。

  • 日本語:「察する文化」(言外の意図を汲み取る、和を重んじる)
  • 英語圏:「直接的な文化」(言葉で明確に伝える、結論を先に言う)

この違いから、私たちは「直接的にNoと言う=相手を否定すること」と感じてしまいがちです。しかし、英語のコミュニケーションでは、**「明確さ(Clarity)」**が非常に重要視されます。曖昧な返事は、かえって相手を混乱させ、ビジネスの停滞を招く失礼な行為と見なされることさえあるのです。

私たちが目指すべきゴールは、「思いやり(Consideration)」と「明確さ(Clarity)」の両立。これを実現するのが、これからご紹介する3ステップのフレームワークです。

【基本の型】スマートな断り方の3ステップ・フレームワーク

どんなに複雑な依頼でも、この3つのステップを意識するだけで、驚くほどスムーズに断れるようになります。

Step 1: 感謝と共感 (Appreciation & Empathy)

まず、いきなり「できません」と切り出すのはNG。最初に、声をかけてくれたこと、頼ってくれたことに対して感謝を伝えます。これが日本語でいう「恐縮ですが」のようなクッションの役割を果たします。

  • Thank you for thinking of me. (お声がけいただきありがとうございます。)
  • I appreciate you reaching out about this. (この件でご連絡いただき感謝します。)
  • That sounds like a great project. (素晴らしいプロジェクトですね。)

Step 2: 理由を添えて、明確に断る (The “No” with a Reason)

次に、断る意思を明確に伝えます。ただし、“No.” だけで終わらせず、必ず正直で簡潔な理由を添えましょう。嘘をついたり、長々と自分語りをしたりするのは避け、「今は他の優先事項がある」「スケジュールが埋まっている」といった事実を伝えるのがポイントです。

  • Unfortunately, I can’t at the moment because… (あいにく、〜という理由で今はできません。)
  • I’m afraid I won’t be able to help with that, as my plate is full right now. (残念ながら、今は手一杯でお手伝いできそうにありません。)
  • My schedule is already committed on that day. (その日はすでに予定が入っております。)

Step 3: ポジティブな締めくくり (Positive Closing & Alternatives)

これが最も重要です!断りっぱなしで終わらせず、相手を助けたいというポジティブな姿勢を見せることで、あなたの印象は格段に良くなります。「今回は無理だけど、こうするのはどう?」という代替案を提示することで、問題を一緒に解決しようとする協力的なパートナーとして認識されます。

  • 代替案を提示する:
    • How about we try next week? (来週はいかがでしょうか?)
    • I can’t handle this alone, but what if we ask Tanaka-san to help? (私一人では難しいですが、田中さんに手伝ってもらうのはどうでしょう?)
  • 他の人を紹介する:
    • I’m not the best person for this, but I think Kenji might have the expertise you’re looking for. (私は適任ではありませんが、ケンジなら専門知識があるかもしれません。)
  • 将来の協力に繋げる:
    • Please keep me in mind for future opportunities. (また別の機会があれば、ぜひお声がけください。)
    • I wish you the best of luck with the project. (プロジェクトの成功を祈っています。)

【シーン別】今すぐ使える!スマートな断り方 例文集

それでは、このフレームワークを具体的なビジネスシーンに当てはめてみましょう。

シーン1:会議やイベントへの招待を断る

Thank you so much for the invitation. (Step1: 感謝) Unfortunately, I have a prior commitment that day, so I won’t be able to make it. (Step2: 理由とNo) I hope it’s a great event and look forward to hearing about it! (Step3: ポジティブな締め)(ご招待いただき、誠にありがとうございます。あいにくその日は先約があり、参加することができません。イベントが素晴らしいものになることを願っております。後ほどお話が聞けるのを楽しみにしています!)

シーン2:自分のキャパを超える仕事を依頼された時

I appreciate you trusting me with this task. (Step1: 感謝) However, my plate is full with the ABC project right now, and I wouldn’t be able to give this new task the attention it deserves. (Step2: 理由とNo) Could we perhaps discuss prioritizing my current tasks, or delegating this to someone else? (Step3: 代替案)(このタスクを任せていただき光栄です。しかしながら、現在はABCプロジェクトで手一杯でして、この新しいタスクに十分な注意を払うことができません。現在のタスクの優先順位を見直すか、あるいは他の方にこの件を任せることは可能でしょうか?)

シーン3:相手の提案やアイデアに反対する時

Thank you for sharing your perspective. I see your point about [相手の意見の要点]. (Step1: 共感) However, I have some concerns regarding the budget. (Step2: 懸念とNo) Could we explore another option that might be more cost-effective? For example, how about [代替案]? (Step3: 代替案)(ご意見を共有いただきありがとうございます。[相手の意見の要点]については理解しました。しかし、予算に関して少し懸念があります。もう少し費用対効果の高い別の選択肢を検討できませんでしょうか?例えば、[代替案]はいかがでしょう?)

【応用編】断られにくい「スマートな依頼」の仕方

断り方が上手になると、依頼の仕方も自然と上手になります。相手にプレッシャーを与えず、快く引き受けてもらうためのコツは、実はスマートな断り方の裏返しです。

  1. 相手を気遣うクッション言葉から始める
    • I know you must be busy, but… (お忙しいところ恐縮ですが…)
    • I was wondering if you could help me with something. (少しご協力いただけないかと思いまして。)
  2. 依頼の背景・目的を伝える
    • なぜあなたに頼みたいのかを具体的に伝えることで、相手は「自分が必要とされている」と感じます。
  3. 相手に「断る選択肢」を与える
    • Please feel free to say no if this isn’t a good time. (もしタイミングが悪ければ、遠慮なく断ってください。)
    • No worries at all if you’re too busy. (もしお忙しければ、まったくお気になさらず。)

この一言があるだけで、相手は「断っても大丈夫なんだ」と安心して、正直な返事をしやすくなります。これこそが、日本語の「気遣い」の精神ですよね。

まとめ:誠実さが、最強のコミュニケーションスキル

英語でスマートに断るスキルは、単なる語学力ではありません。それは、相手を尊重し、誠実に向き合い、前向きに問題を解決しようとする姿勢そのものです。

今日のポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 基本は「感謝 + 理由付きのNo + 代替案」の3ステップ
  • 目指すは「明確さ」と「思いやり」の両立
  • 断り上手は、依頼上手にも繋がる

最初は少し勇気がいるかもしれません。でも、このフレームワークを意識して一度でも実践すれば、相手の反応がこれまでと全く違うことに驚くはずです。

ぜひ、明日からのコミュニケーションで試してみてください。あなたのビジネス、そして人間関係が、よりスムーズで豊かなものになることを心から応援しています!

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