日系企業と外資系企業、どちらでも働いた経験のある私にとって、評価の仕組みや人事の考え方の違いは日常的に肌で感じるテーマでした。最近、上司が海外プロジェクトから外される出来事があり、その違いが如実に現れたと感じています。今回は、その経験を通じて見えた「外資と日系の人事制度の違い」について具体的に語ります。
文化と評価基準を理解しないとキャリアリスクになる
どの会社で働くにしても、「上司やチームがどんな環境・価値観で育ってきたか」「人事評価がどのように行われているか」を把握しないと、自分が思わぬリスクに巻き込まれる可能性があります。
上司が外されるまでの経緯
私の上司は、社歴は長いものの実力・成果が伴わず、さらに外資系の成果主義文化を十分に理解していませんでした。感情的に「なぜ自分がやらなければいけないのか」と反発することが多く、上司の上司(長く外資系で働いてきた成果主義タイプ)との相性も最悪。
さらに英語力もいまひとつで、ネイティブ話者や外国人の専門性の高い若手に対して存在感を示せず、最終的には「赤ちゃんみたいで存在意義がない」と判断され、海外プロジェクトから外されました。
私自身のトライ&エラー
私自身も外資系日本支店で、転職したばかりの日本人上司(外国人社員に嫌われていた人)の部下になり、何もしていないのに“弱い派閥側”に置かれました。結果として、あまりメリットを見いだせず転職しました。
この経験から、「上司個人の性格」だけでなく「その上司が社内でどんな立ち位置にあるか」「どんな文化圏で育った人か」を理解することが非常に重要だと痛感しました。
学び:キャリアを守るためにできること
- 文化・評価基準を理解する
自分の上司・上司の上司がどんな背景や評価軸で動いているか、早めに把握しておく。 - 自分の立ち位置を客観視する
派閥や評価軸を見極め、巻き込まれそうな時には早めに手を打つ。 - 成果と専門性を磨く
特に外資では数字・成果・専門知識・語学力がものを言う。
外資と日系の人事・評価の違い(表)
| 項目 | 外資系企業 | 日系企業 |
|---|---|---|
| 評価軸 | 成果・実力中心(KPI・数字重視) | プロセス・勤続年数・協調性など定性的評価多め |
| 昇進・降格 | 成果が出ないと早期に役職変更・解雇。結果を出せば年齢問わず昇進 | 年功序列的。役職・昇進は緩やか |
| 専門性 | スペシャリストが評価される | 総合職的に幅広い業務経験が評価される |
| 語学力 | 英語は「できて当たり前」。ツールでしかない | 英語資格(TOEIC等)で測られることが多い |
| 人事異動 | 適性・成果次第で突然の異動・外しあり | 比較的計画的・事前調整あり |
高学歴外国人の「超専門性」に圧倒される
外資で働くと、海外の教育を受けた高学歴の外国人社員に出会うことが多いです。彼らはジェネラリストではなく、極めて専門性が高い“スペシャリスト”。
一方で、日本企業は「幅広い仕事を経験させる総合職文化」が根強く、結果として専門性を尖らせにくい環境があります。
私は何度もと自己嫌悪に陥ったことがありましたし、今も危機感を持っています。
英語力の「位置づけ」の違い
日本人や韓国人はTOEICなど資格試験を重視しがちですが、外資系職場では英語は“ツール”に過ぎません。「話せて当たり前」で、評価はむしろ「何を言うか」「どんな専門性を持っているか」に置かれています。
私も英語学習を長く続けていますが、最近は「資格」より「実際に使う機会」を増やすことを意識し、専門性そのものを磨くことが生存戦略だと考えるようになりました。
グローバル環境で生き残るための3つのステップ
- 専門性を尖らせる
自分の得意分野を明確にし、業務外でも知識・スキルを深堀りする。 - 英語を“使う場”を増やす
オンライン英会話・国際カンファレンス・ボランティアなど、「実際に話す環境」で鍛える。 - 立ち位置を早めに把握する
上司やチームの文化背景・評価軸を見極め、キャリアリスクを回避する行動をとる。
私からの意見
外資に限らず、日本企業でも「専門性と発信力」を持つ人が強くなってきています。
英語力や資格はもちろん大切ですが、それ以上に「自分は何で貢献できるか」を言語化し、社内外に示すことが重要です。
小さな一歩でも、毎日専門分野の記事を読む・英語でSNS発信する・国際的なコミュニティに参加するなど、実践できることはたくさんあります。
まとめ
外資と日系の違いは単なる制度だけでなく「価値観の違い」そのものです。
上司やチームがどの文化で育ってきたのかを理解しないまま働くことは、思わぬキャリアリスクになります。外資でも日系でも、「自分の立ち位置を見極める力」「成果と専門性で勝負する姿勢」が、自分を守る最大の武器だと感じています。


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